日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
観察記録組込み型Over Viewパスと手技・観察記録組込み型Over Viewパスの考案
―院内統一書式への作業―
玉川 英史篠崎 浩治倉持 宏明落合 新二小林 阿由美菊池 俊子大塚 秋二郎
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 5 巻 1 号 p. 91-97

詳細
抄録

 一週間程度の入院で加療可能な疾患に対して観察記録組み込み型Over Viewパスを、また、局所麻酔や腰椎麻酔で行う治療については、さらに手技(麻酔下処置)の間の記録も組み込んだ手技・観察記録組み込み型Over Viewパスを考案した。そして、それを日めくり形式のパスと2本立てで院内普及・書式統一作業を行なっている。今回は、観察記録組み込み式のOver Viewパスを紹介する。パス院内書式の統一化を目指し観察項目の分類、コード化、表現の統一を行い、運用上の利便性を考えてパス紙面での記載方法の工夫、視認性の向上、中間目標の取込みを行った。具体的には、観察項目の樹枝式分類とコード化、それぞれの項目について表現の統一化を行った。表現には『有る・無し』の他に、数字やアルファベットによるグレーディングを採用した。簡便性のため、記載には二者択一かマルチプルチョイス形式を用いた。またカラー紙面を導入し、選択肢を色分けする事により中間目標を記入欄に組み込み、常にアウトカムを指向したパスを目指した。これにより、記載者側もバリアンス発生を意識しながら観察する事ができ、さらに前述した如く、観察項目がコード化されているためパリアンス発生時もコードで記載する事が可能となった。以上の様なOver View型パスに導入した工夫を紹介する。

著者関連情報
© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top