日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
クリニカルパス形式の統一と診療記録様式の改編
松田 眞佐男
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2003 年 5 巻 1 号 p. 99-104

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抄録

 医療の質向上と業務の効率化を目的に、クリニカルパス形式の統一と診療記録様式の改編を併せ行うことにより、診療記録全体の統合と改善をはかった。

 クリニカルパスの標準形式を日めくり式の見開き形式とし、左ページに指示項目、右ページに観察項目を集約し、各指示項目には医師・看護師のサインを完備することで、診療記録としての機能を持たせた。クリニカルパスは全てその診療内容と形式を検討した後、認定パスとすることとした。複写式のバリアンス記録用紙を配布し、疾患ごとのバリアンス・ファイルを作成のうえ、これを院内LAN(Local-Area Network)で集計するシステムも完備した。

 一般診療記録様式も改編においてはPOS方式(Problem-Oriented System)の導入を柱とし、各職種の記録範囲を明確にして重複記載や転記を廃し、全ての診療記録を集約して情報の共有化をはかることを理念とした。また、医師による「問題リスト」の記載はチーム医療の基幹をなすものであり、これを重視することとした。

 クリニカルパスと一般診療記録において、その形式を統一し、同一理念で記載を行うことが、医療の質向上、業務の効率化およびチーム医療の推進に重要と考える。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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