日本クリニカルパス学会誌
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Print ISSN : 2187-6592
実践報告
冠動脈バイパス術後ドレーン管理における看護の標準化
西山 史恵本藤 のぞみ三隅 留美子石田 由紀子上杉 英之三隅 寛恭平山 統一本田 喬
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2004 年 5 巻 3 号 p. 559-564

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抄録

 従来使用していた冠動脈バイパス手術(以下CABG)クリニカルパス(図1・2)使用症例(22例)について検討した結果、ドレーン抜去が離床リハビリ開始日を規定するひとつの因子と考えられた。ドレーン抜去が遅れた要因としては、観察・アセスメントが不十分で、明確な抜去基準がなかったことや、医療スタッフ間の見解の相違によるスタッフ要因、休日の関与などのシステム要因などが推測された。

 ドレーン管理を標準化するために、従来のCABGクリニカルパス使用症例のデータをもとに、ドレーン管理基準・ドレーン排液性状スケールの作成を行い運用した。スタッフ間でアウトカムを統一することで、術後3日目までに全対象症例がバリアンスを生じず離床リハビリテーションを開始することができた。ドレーン排液に関する性状の記録は従来主観的な記録が多かったが定量的表現で統一することでCABGにおけるドレーン管理の看護の標準化をはかることができた。

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© 2004 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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