日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
PTCAクリニカルパスの作成 ~CCUと一般病床の連携~
石井 裕美宮本 美樹塩山 あけみ大平 裕子広津 千尋柴田 早苗大森 友子
著者情報
キーワード: 2ウェイ方式, CAG, PTCA
ジャーナル フリー

2004 年 5 巻 3 号 p. 553-558

詳細
抄録

 循環器・呼吸器病棟では年間約800例の冠動脈造影(以下CAG)を行っている。その中で、経皮的冠動脈形成術(以下PTCA)を受ける患者は、約20%におよぶ。現在使用しているパスは、1997年に作成し2度の評価修正を加えたインサートデイ方式のCAGパスである。そのため、PTCAを受けた患者には適応されていなかった。PTCAでは、帰室後2時間集中治療室(以下CCU)での観察が必要となるため、患者は一般病床から、循環器撮影室、CCU入室、一般病床への転室という3つの看護単位を通過する。その間の記録は用紙や書式が異なり一貫性がなく、情報共有や継続看護の点において問題があった。そこで今回、CCUと一般病棟の2つの看護単位で共通使用できるPTCAパスの作成に取り組んだ。現在使われているCAGパスと同一書式のインサート列方式をとり、検査後にCAG、PTCAパスを選択する2ウェイ方式とすることで、適応基準を広げることが出来た。患者は重症度によりCCUか一般病床かに分けられる。そこで移動の際に病状の変化が正しく伝えられ、処置や治療が継続して実施されることが要求される。今回協同でパス作成をしたことで、観察内容や到達目標が明確になった。これら病棟間の協力によりパスを作成したことで、今後情報共有ができ継続看護につながると考える。

著者関連情報
© 2004 一般社団法人日本クリニカルパス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top