静岡県内38病院で腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)のクリニカルパス(以下パス)に関するアンケート調査を行った。回答があった当院を含む22施設のパス導入時期は1998-2005年であり、既に13施設で内容の改訂が行われていた。実際に書式提供があった17施設のパス内容として、適応外基準の明記は4/17施設、全在院日数は5-11日(平均6.9日)、退院日は術後3-8日目(平均4.8日目)、術後点滴抜針は第1病日7施設、第2病日7施設、第3病日3施設であり、点滴抗生物質の種類は第一世代(CEZ)7施設、第二世代(CMZ、CTM)3施設、第三世代(FMOX、CTRX)2施設(残り5施設は医師の裁量)、そして抗生物質の終了時期は第1病日5施設、第2病日6施設、第3病日2施設、第5病日1施設であった。記録面でのアウトカム記載は14/17施設でみられたが、アセスメントツールが明記されていたのは9/17施設であった。また、パス書式が単なる工程表と考えられたものが6施設、工程表にチェックボックスが追加されたものが6施設、診療録2号用紙を意識したものが5施設であった。LCでは術後管理の均質化が比較的容易と考えられたが、静岡県内病院のパス内容には予想外のばらつきがあった。その理由として施設間の情報交換不足が考えられ、診療の標準化やベンチマーキング作業が遅れていることが示唆された。従って、今後パス大会(展示)等での相互評価が必要と思われた。