日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第6回学術集会) シンポジウム2 医療者が作成する医療用ソフトの現状と将来性
医療者が作成する医療用ソフトウェアの現状と将来性
若宮 俊司今田 光一松波 和寿吉田 茂中村 徹佛坂 俊輔蒲生 真紀夫白鳥 義宗岡田 晋吾小牟田 清伊藤 勝博佐藤 三七舛谷 元丸池井 肇山本 康仁
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2006 年 8 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

 近年の医療現場の電子化はベンダーに依存するシステム・ソフトウェアだけではなく、医療者自身の作成によるものが数多く利用されている。ところが、今日に至るまで、両者は同様の指標を持って評価されてきており、医療者が作成したソフトウェアの意義と価値が正しく認識されているとは言いがたい。そこで、第6回日本クリニカルパス学会において、医療者が作成するソフトウェアの現状と将来性についてのシンポジウムを行った。これまでに作成された代表的なソフトウェアの紹介とともに、パス機能、病院情報システムとの連携、セキュリティー、アセスメント、可能性と将来性、多様性の6つの観点から様々な議論を行った。議論の中で、医療者が作成するソフトウェアは、それ自体が有用なツールとなりうること、病院情報システムとの連携を図って構築しうるもの、更にベンダーへの提案あるいは共同開発にまで至る可能性があることが示唆された。また、会場において、医療者が作成するソフトウェアの利用に関するアンケート調査を行ったが、オーダリングシステムあるいは電子カルテ導入後においても市販ソフトを利用する施設が多数であり、その中でもファイルメーカーの利用は突出していた。医療者が作成するシステム・ソフトウェアの分野はやっと全国的なレベルでの活動が始まったところであるが、今後、ますますその領域が拡大し、また、より重要な分野となってゆくものと予想される。

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© 2006 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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