日本障害者歯科学会雑誌
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症例報告
口腔機能廃用により叢生の発生が疑われた1例
陳 明裕
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2015 年 36 巻 2 号 p. 130-133

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抄録
近年,胃に直接カテーテルを留置する栄養投与法(胃瘻)を施行される機会が増している.胃瘻の留置が長期化すると,経口摂食をしないので口腔はほとんど機能することはなくなるため,歯列は廃用性の変化を起こすことがある.今回,胃瘻および気管切開にて5年経過した患者の著明な叢生発症および増悪に伴い,咬頭鋭縁部と接触する頰粘膜に頻発する口内炎の対策を求められる機会を得た.マウスピース型矯正装置により歯の鋭縁と粘膜の過度な接触を軽減することで口内炎の頻発を防ぐことができた.本症例を経験して,胃瘻留置時には,咬合の維持および粘膜保護を目的とした咬合保護床の作製,装着が有効であることが示唆された.
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© 2015 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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