日本障害者歯科学会雑誌
Online ISSN : 2188-9708
Print ISSN : 0913-1663
ISSN-L : 0913-1663
症例報告
幼児期に経管栄養から経口摂取へと移行できたCHARGE症候群の2症例
大岡 貴史山口 さやか田中 章寛横田 英子進藤 彩花草野 緑上田 智也重枝 昭広
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 46 巻 2 号 p. 124-131

詳細
抄録

CHARGE症候群は遺伝子変異が原因の多発奇形症候群であり,哺乳障害や摂食嚥下障害といった機能障害のみならず,食思不振や口腔周囲の感覚偏倚などにより経口摂取が十分に行えないことが多い.今回,乳幼児期から拒食や感覚偏倚をほぼ認めず,早期に代替栄養を脱却して経口摂取を行えた2症例を経験したので報告する.

症例は初診時11か月の男児(症例1)および1歳の女児(症例2).離乳食の段階が進まないことを主訴に摂食外来を紹介受診した.出生直後は哺乳が困難であり,経鼻胃管にて育児用ミルクを摂取していた.しかし,哺乳びんへの拒否や食思不振は早期に軽減し,生後3か月以内には胃管が抜去された.初診時の摂食機能では,症例1は嚥下機能獲得期,症例2は捕食機能獲得期と診断された.いずれも食具や離乳食への拒否はなく,哺乳びんでの育児用ミルク摂取も可能であった.そのため,スプーンの介助法や食内容指導を行い,摂食機能発達に合わせて離乳食の段階を進めることとした.

症例1は比較的順調に摂食機能発達が得られ,2歳台ですりつぶし機能や自食機能が獲得された.そのため,2歳6か月時に普通食を摂取可能になった.症例2では2歳台で下顎の側方運動がみられたものの,食塊形成や移送が不十分のため後期食が中心となった.いずれも代替栄養を行わずに経口摂取が継続できているものの,症例によって経口摂取の受容や摂食機能発達には差異があるため,多職種連携を含めた継続的な関わりが必要と考えられる.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本障害者歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top