2025 年 46 巻 2 号 p. 83-90
本研究は,障害のある子どもの保護者に対し「障害者の口腔診査や歯科治療を行っている歯科医院を探したことがあるか」を尋ね,その結果をふまえて障害のある人の歯科医療環境の改善に役立てることを目的とした.4つの国内障害者団体に調査を依頼し,Google Formを使用して実施された.また,関係のある地域の障害者団体にアンケートへの回答を依頼した.調査期間は,2023年12月1日から2024年2月20日であった.調査項目は,「歯科検診を行っている歯科医院を探したことはありますか?」「歯科治療ができる歯科医院を探したことはありますか?」などであった.
障害のある子どもをもつ親の86.3%が口腔内診査を受けるために,すみやかに歯科医を探すことができなかったことが明らかになった.10歳から40歳台まで70%以上の保護者が子どもを診察してくれる歯科医院を探していた.つまり40年以上前も,そして最近も,どの歯科医院が障害者の口腔内診査を行ってくれるのか,わかりにくいといえる.歯科治療のために歯科医院を探したことがある人の割合は80.6%で,口腔診査のために歯科医院を探したことがある人の86.3%に比べて若干低かった.日本歯科専門医機構認証の専門医は,専門医の広告掲載が許可され,患者が歯科医院を選択するのに役立つ.質の高い障害者歯科専門医を多く輩出することで,障害のある子どもをもつ親のニーズに応えることができるようになると考える.