2026 年 47 巻 1 号 p. 34-38
かがわ総合リハビリテーション病院は,多職種連携と医療的ケアが必要な患者への総合支援体制を有する回復期の地域中核病院である.当院障害者歯科センター(以下:当科)は障害者・児の歯科治療の第一受け入れ先として,行動変容法,身体抑制法,全身麻酔など複数の行動調整法を提供している.本研究では,2020年4月から2024年3月の間に,当科に初診で受診した0~18歳の自閉スペクトラム症(以下:ASD)児50例を対象に,遠城寺式乳幼児分析的発達検査の発達年齢と実際に選択された行動調整法の関連を後方視的に検討した.結果,通法群6例,身体抑制群31例,全身麻酔群13例であり,「移動」「手の運動」「言語理解」に有意差が認められた.特に「言語理解」の発達年齢が行動調整法選択に最も強く関連し,言語理解が未熟な児は身体抑制法や全身麻酔が必要となる傾向が示された.今後は症例数増加,多職種連携による詳細な評価,長期的治療行動や施設方針の影響の検討が課題であり,ASD児に特化した適性検査の開発が望まれる.本研究は単施設の後方視的解析であり,結果の一般化には多施設研究が必要である.