応用地質
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論説
地質図の3次元化に着目した地質情報の活用にかかわる研究の動向と課題
越谷 賢丸井 敦尚吉澤 拓也
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2010 年 51 巻 1 号 p. 2-9

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抄録
 地質学には基礎科学としての側面と応用科学としての側面がある. 作成される地質図は地表と地下における自然現象を解明するとともに, 人類の社会, 経済活動に有用な情報を提供してきた. 地質図は, 古くから2次元で表現されてきたが, 近年のコンピュータの処理技術の向上とともに, 数値化が行われ, 3次元の地質図が作成されるようになってきている. 日本では地下情報のデータベース化が進められているため, 今後はこれらを活用した地質図の3次元モデルに関する研究が一つの主流となるものと考えられる. また, 情報技術の発達に伴う地質図の情報配信の変化は, 利用者の拡大と多様化をもたらしており, これまでの専門性の高さを失わずに, 利用者にとってよりわかりやすい情報配信が必要となっている. 利用者の要求を満たし, 情報の価値をより高めるため, 地質図の3次元化は有効な方策である. このため, これからの地質情報の配信においては, 3次元情報の配信を積極的に行っていくべきであろう. これらの背景から, 本論では地質図の表現方法の変遷や地質図の3次元モデル化に係る研究の動向と課題を抽出するとともに, 今後の方針について言及した.
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© 2010 一般社団法人 日本応用地質学会
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