応用地質
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論文
大レイノルズ数における粒子の自由沈降現象の検討
―実験編
松本 謙二永岡 修一大野 博之磯部 有作河原 裕徳八村 智明武馬 雅志大嶋 真由子登坂 博行
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2012 年 53 巻 2 号 p. 70-79

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抄録
 海面(水面)の廃棄物最終処分場は,埋立区画の底面遮水層として在来地盤の沖積粘土層を利用している場合が多い.遮水層の層厚は,規定値を満足する必要があり,埋立廃棄物の沈降および着底時に及ぼす衝撃によって減じられることがあってはならない.埋立廃棄物の沈降現象を把握することは,周辺環境への影響などを評価するうえで,非常に重要なことである.このような現象を数値解析的に見積もる解析手法については,適切な手法の開発には未だ至っていないのが現状である.そこでわれわれは室内および現場の自由沈降実験を実施し,大レイノルズ数域の多粒子の自由沈降現象について検討を行った.
 その結果,単粒子自由沈降では,大レイノルズ数の沈降の場合,Newtonの実験式の0.5~1.0倍の沈降速度になることが示された.一方,多粒子の自由沈降的落下挙動では,単粒子沈降よりも遅くなるものもあるが,最速で沈降するものは単粒子と同程度以上の沈降速度となり,Newtonの実験式の0.5~2.0倍であることが示された.
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© 2012 一般社団法人 日本応用地質学会
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