2013 年 53 巻 6 号 p. 271-281
新たな手法を用いて,2011年 4 月11日福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層周辺の変位量分布を推定した.この手法は,地震前後の 2 時期の航空レーザー測量結果による数値地形モデルの差分解析を行うものである.
解析結果は,地表で確認された変位量分布とおおむね整合的であった.また,解析結果は地震に伴う傾動運動や地盤沈下を示唆している.
本手法は,従来一般に行われてきた現地調査では把握できなかった情報を迅速に提供可能であることから,地震直後の地表変位量分布の調査に非常に有効であると考えられる.