2014 年 54 巻 6 号 p. 251-263
地圧を受ける山岳トンネルの変状対策法を確立することは,トンネルの維持管理を的確に行うために重要な課題である.
本稿では,塑性圧と地山の緩みによる鉛直圧の作用による山岳トンネルの変状に対する対策の基本的な考え方を論じた.すなわち,(1)鉄道トンネルの変状事例を分析し,(2)2種類のトンネル覆工模型実験装置を用いてトンネル覆工の変形挙動特性を評価し,(3)時間依存の地盤強度低下モデルを用いたトンネル変状の3次元数値解析手法を開発した成果を示し,さらに,(4)応用地質的手法を用いてトンネル変状メカニズムを検討する必要性を提言した.