応用地質
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仙台市街地にあらわれた大年寺山断層の断層露頭
小坂 英輝三輪 敦志今泉 俊文稲垣 秀輝橋本 修一楮原 京子佐々木 亮道
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2014 年 55 巻 4 号 p. 166-176

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抄録

 大年寺山断層は長町-利府断層のバックスラストで仙台市街地を横切って明瞭な断層崖を形成している.筆者らは,防災上重要な活断層の位置・形態および古地震情報を得るために,工事に伴い出現した大年寺山断層の断層露頭とその周辺の断層地形の観察を行った.露出した断層は,5~6万年前に形成された上町段丘の砂礫層がローム層の上に衝上するF1断層とF2断層の2条の逆断層である.F1断層は,その変位を復元することで,砂礫層堆積後に少なくとも2回活動していると推定される.単位変位量はF1断層の上下変位量(1.6 m)と活動履歴から約0.8 mと見積もられる.上町段丘面上の撓曲崖の比高(5~6 m)は,両断層を合わせた変位量より大きいため,両断層以外に断層の存在が推定される.これらの結果から,大年寺山断層は,断層崖の中で複数に分岐し,地表付近まで段差を生じる断層である.仮に同断層が活動すれば,横断する構造物に深刻な損壊が生じ,関連する災害も懸念される.このため,ライフライン構造物の配置計画,設計・施工に際しては,その種類や重要度に応じた十分な検討が必要になるものと考えられる.

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© 2014 一般社団法人 日本応用地質学会
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