2016 年 56 巻 6 号 p. 316-324
これまで,筆者らはトンネル切羽に現れる不連続面の走向傾斜を3次元スキャナや写真測量により測定する技術の開発を行ってきた.また,この方法を普及させるためには,トンネル施工サイクルに及ぼす影響を最小限とすることが重要と考え,トンネル現場において最も適用性が高い計測方法やシステムを模索してきた.
今回は,これまで開発してきた計測方法や計測システムの評価について,現場適用事例結果を通じて報告する.この開発の成果は,施工中における迅速なトンネル切羽の安定性評価,ならびに維持管理段階のトンネル地山評価指標のひとつとして有効と考えられる.