応用地質
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高速増殖原型炉もんじゅ基礎岩盤における破砕帯の長さ分布
照沢 秀司 島田 耕史
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2019 年 60 巻 5 号 p. 230-234

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抄録

断層の集団について,その長さ分布は,成長の度合いによって異なる統計的な性質を持つことが知られている.若い集団は,べき乗分布を示し,より成長した集団は,指数関数分布を示す.本稿では,福井県敦賀市に立地する高速増殖原型炉もんじゅの基礎岩盤の破砕帯群を対象として,建設当時のスケッチを用いて,長さ分布による統計的検討を行った.その結果,(1)破砕帯群は指数関数分布を示し,(2)北東方向の破砕帯が北北東方向の破砕帯に対して相対的に成長していることが示唆された.本稿で示した手法の適用性を向上させるためにも,様々な地質環境,規模下でのより多くの事例の蓄積が望まれる.

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© 2019 一般社団法人 日本応用地質学会
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