応用地質
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報告
玄武岩由来の帯板を用いたトンネル覆工の補修工法とその適用例
野城 一栄 岡野 法之津留 恒誉
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2021 年 61 巻 6 号 p. 321-325

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抄録

日本の鉄道で供用されている山岳トンネルは,多くが戦前に建設されたものであり,劣化やひび割れ等により剥落が生じることもある.事業者により剥落を防止するための対策工が施工され,安全な運行が維持されているが,鉄道トンネルでは,極力内空断面を侵さず,短い間合い時間でも適用可能な補修工法が求められる.そこで,筆者らは,供用中の山岳トンネルの剥落対策として,玄武岩由来のバサルト繊維を原料とするFRP帯板による補修工法を開発した.本工法は,バサルト繊維を樹脂で帯板状に成形したバサルト帯板を接着剤でトンネル覆工に接着し,アンカーと固定金具で覆工に固定することにより施工する.バサルト帯板によりトンネルの補強効果とひび割れで閉合した部分の剥落防止効果が期待できる.また,同じくバサルト繊維からなるバサルトネットを併用することにより小片の剥落防止の効果も期待できる.本稿では,開発工法の概要について説明するとともに,適用例について紹介する.

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© 2021 一般社団法人 日本応用地質学会
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