応用地質
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PS干渉SAR解析によって推定された阪神エリアにおける活断層近傍の地表変動
重光 勇太朗 石塚 師也林 為人
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2022 年 63 巻 2 号 p. 49-63

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抄録

干渉SAR時系列解析は年単位での地表変動傾向を明らかにするのに有効な手法である.本研究では,2018年に発生した大阪北部地震の震源付近の断層である有馬―高槻断層帯,及び六甲山活動セグメント近傍における地震前後を含む近年の地表変動傾向を明らかにするためにPS干渉SAR解析を用いることによって当地域における地表変動量を検出した.その結果,(i)六甲山活動セグメント近傍における沈降方向の地表変動,(ii)箕面GNSS観測点付近及び,有馬―高槻断層帯及び六甲山活動セグメントの間に位置するくさび型のエリアにおいて地表変動が地震後に隆起方向に変化し,その地表変動が地下水位の変動によるものであると示唆されること,(ⅲ)生駒断層と上町断層の間の広域において隆起と考えられる地表変動の要因が地下水位の変動による可能性,また(ⅳ)震源断層のすべりによる西向き方向の震央周辺の地表変動の可能性を示した.さらに,本研究のPS干渉SAR解析結果の妥当性がGNSSの結果及び先行研究との比較によって示された.断層周辺部における地表変動のメカニズムを解明するために,今後も継続的に同エリアにおける干渉SAR時系列解析を用いた地表変動の解析を行う必要がある.

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© 2022 一般社団法人 日本応用地質学会
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