応用地質
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報告
活動的な副次断層が伴う断層ガウジの微細構造
神城断層が伴う副次断層の例
相山 光太郎上田 圭一
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2023 年 64 巻 1 号 p. 15-27

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抄録

主断層の周辺には,副次断層が分布する場合がある.これまで,多数の調査・研究が主断層や副次断層で実施されているものの,第四紀に主断層と共に活動し,今後も活動する可能性が高い活動的な副次断層の微細構造解析に焦点を当てたものはない.

2014年長野県北部の地震(Mw 6.2)では,神城断層(主断層)と,3条の副次断層が活動した.我々は,その副次断層のうち1条(最新滑り面)の活動性や,その最新滑り面に沿う断層ガウジの微細構造を明らかにするために,トレンチ調査や微細構造解析を実施した.トレンチ調査では,最新滑り面が完新世に少なくとも2回活動していることを確認した.微細構造解析では,ヘリカルX線CTスキャナーや偏光顕微鏡,X線回折装置,透過型電子顕微鏡を使用し,断層ガウジに層状構造やガウジフラグメントが認められることを示した.

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© 2023 一般社団法人 日本応用地質学会
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