交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号B(実務論文)
歩行者の危険感に配慮した普通自転車歩道通行可の実施基準
森 健二横関 俊也矢野 伸裕萩田 賢司
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2015 年 1 巻 2 号 p. B_68-B_75

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抄録

普通自転車歩道通行可の交通規制を実施するには、歩行者の通行に支障が生じないよう十分に配慮しなければならない。しかし、生じる支障の程度や歩行者の安全性が阻害される程度を評価するための実用的な基準はなく、自転車の歩道通行の可否を判断するための目安としては現状では歩道の有効幅員がその拠り所となっている。本研究では、普通自転車歩道通行可の実施判断のための新たな指標を提案することを目的として、歩行者のそばをすり抜ける際の自転車の速度及び歩行者との離隔という二つの要素に着目し、これらの実態について調査した。そして、それらが自転車からみた物理的な‘すり抜け幅’と関連していることを示した。さらに、歩行者の危険感を推定する既存のモデルを用いて、‘すり抜け幅’が広がることによる危険感の低減効果について示した。

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© 2015 一般社団法人 交通工学研究会
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