応用地質
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泥岩の化学的風化による住宅基礎の盤膨れ
大山 隆弘千木良 雅弘大村 直也渡部 良朋
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1998 年 39 巻 3 号 p. 261-272

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抄録
大規模な土木工事により露出した, 未風化な還元状態にある泥岩やその盛土の上に建設された建築物の地盤が, 建設後数か月から数年経過して膨張する盤膨れ現象について, 岩石の鉱物, 化学分析と微生物に着目した分析を実施し, そのメカニズムを明らかにした.
盤膨れは, 岩石中の黄鉄鉱が酸化して硫酸を生成し, 方解石を溶解し, 硫酸イオン, カルシウムイオンが生じ, それらが, 地中水とともに乾燥した床下に移動し, 床下で石膏の結晶として析出し, その結晶圧で盤膨れが生じた. この反応には, 鉄酸化細菌が関与していることが推定された.
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© 日本応用地質学会
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