1999 年 40 巻 5 号 p. 295-298
土中の水分量を測定するには, 一般に電気乾燥炉や中性子水分計を用いて測定されている. 乾燥炉を使用する方法では, 試料を大量にう場合には時間がかかる. 中性子水分計では比較的早く結果を知ることができるが法律の規制を受けるので一長一短である. これらに対し, 宇宙線のμ粒子を使用することにより人工放射線と違って法律による規制を受ける必要がなく, ほぼ安定したエネルギーを自然界から受けることができる. μ粒子を利用する検出管を試作して土中の水分量を測定した. その結果, 電気乾燥炉で測定した値と比べ, 誤差2.8%の精度で含水比を推定することができた. μ粒子の利用による土中水分の測定は, きわめて有効な測定方法であることが実証された.