2002 年 43 巻 2 号 p. 92-100
ノルウェーのオスロ近郊のドラメン地域は, 軟弱地盤で有名な地域であり, 地盤工学的性質については多くの調査研究がなされてきた. しかしながら, その堆積環境と地盤工学的性質に関しては不明な点が多い. 本研究ではドラメン地域における完新世堆積物の堆積環境と地盤工学的性質との関係を明らかにすることを試みた.
原位置より採取した堆積物に対して全硫黄 (TS) ・全窒素 (TN) ・全有機炭素 (TOC) に代表される堆積物の地球化学的性質をCNS元素分析を行うことにより求めた. また, CNS元素分析結果から得られるTSとC/S比より堆積環境 (淡水成・汽水成・海成) を明らかにした. さらに, CaCO3量の分析結果から, セメンテーション効果を定量的に求め, 土の強度変形特性とセメンテーションとの関係を明らかにした.