抄録
本研究の目的は,高校生における探究の質を高める指導方法を検討するための基礎的知見を得ることである.探究のプロセスとして社会的問題解決に着目し,その学習プロセスを深めることに関連が想定される学習者の主体性とGritを取り上げ,これらの関係性の把握を試みた.高校生94名を対象としてアンケートによる意識調査を実施し,得られたデータを基に個人特性の主体性とGritを独立変数とし,社会的問題解決を従属変数として二元配置分散分析を行った結果,Gritの主効果のみ有意差が認められた.Gritが高い学習者が,Gritが低い学習者より,社会的問題解決因子が高水準であった.このことから,Gritが低い学習者には問題解決において粘り強さを維持するための支援が必要であること,さらに,社会的問題解決能力を向上させるためにはGritを高めることの重要性が示唆された.