抄録
実技を伴う教科, 特に芸術関係の教科は明瞭な基準が設定しにくく評価しにくい. これらの教科についての評価は難しく. 教師の主観によって, 評価そのものが大きく左右されやすい. 階層化意志決定法を用いて実技に関係した作品について自由記述された評語から到達度を定量的に求める方法を提案する. 評価項目を決め, 階層化意志決定法によって評価項目の重みを決定する. 作品の評語から該当する評価項目についての到達度を求める. 重みとその到達度の積の和を作品の総合評価値とする. 実際の書道の作品について現職小学校教師に評語を記入してもらい, 従来の10段階評価法と新しい方法による評価とを比較する. それによって, 提案した方法の有効性を示す.