重症虚血肢(以下CLI)の専門治療を行う病院と,日常のフットケアを行う医療機関の連携強化を目指し,地域連携の会(JOYFUL)を発足した.情報共有のため患者情報提供用紙,下肢処置ノートを運用するシステムを構築した.その運用により下肢に異常があった場合は画像付きの情報による連絡があり,早期治療に繋がるといった成果が得られた.下肢処置ノートは画像付きの情報提供が約6割に増え,情報ツールの運用は浸透してきた.一方,JOYFUL参加状況の検討では,約9割が病院や透析クリニックの看護師で,在宅や老人保健施設のスタッフの参加は乏しかった.CLIは,老々介護者,独居生活者,老人保健施設入所者が多い.ゲートキーパーとして,老人保健施設のスタッフ,訪問看護師,介護士が重要な位置を占めてくると考えられるが,現状連携は十分でなかった.JOYFULの認知度を高め,在宅や老人保健施設でも同等のフットケアが行えるような地域連携の体制づくりを目指したい.