抄録
V.A.C.ULTA®型陰圧維持管理装置の使用開始に伴い, 洗浄液の周期的自動注入機能付き陰圧創傷治療システム (以下NPWT i-d) が普及してきた. NPWT i-dは従来の局所陰圧閉鎖療法 (以下NPWT) と比較して, 入院期間・創治癒期間短縮の報告がある. 2017年4月から2018年6月に東京西徳洲会病院に入院した足潰瘍患者のうち, デブリードマン後にNPWTと閉創手術を施行した41例 (NPWT 30例, NPWT i-d 11例) を対象とした. 入院期間, NPWT装着期間, 最終手術までの期間, 手術回数, 創治癒率を比較した. 入院期間, NPWT装着期間, 最終手術までの期間, 手術回数に有意差はなかった. 創治癒率はNPWT i-d群のほうが良好であった. NPWT i-d群は重症例が多いにもかかわらず同等の治療結果が得られ, NPWT i-dの高い治療効果が示唆された. 今後は症例数を増やして検討する必要がある.