日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
原著
下肢病変における洗浄機能付き局所陰圧閉鎖療法と局所陰圧閉鎖療法の比較
鬼塚 彩由美寺部 雄太
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2020 年 1 巻 3 号 p. 141-145

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抄録
 V.A.C.ULTA®型陰圧維持管理装置の使用開始に伴い, 洗浄液の周期的自動注入機能付き陰圧創傷治療システム (以下NPWT i-d) が普及してきた. NPWT i-dは従来の局所陰圧閉鎖療法 (以下NPWT) と比較して, 入院期間・創治癒期間短縮の報告がある. 2017年4月から2018年6月に東京西徳洲会病院に入院した足潰瘍患者のうち, デブリードマン後にNPWTと閉創手術を施行した41例 (NPWT 30例, NPWT i-d 11例) を対象とした. 入院期間, NPWT装着期間, 最終手術までの期間, 手術回数, 創治癒率を比較した. 入院期間, NPWT装着期間, 最終手術までの期間, 手術回数に有意差はなかった. 創治癒率はNPWT i-d群のほうが良好であった. NPWT i-d群は重症例が多いにもかかわらず同等の治療結果が得られ, NPWT i-dの高い治療効果が示唆された. 今後は症例数を増やして検討する必要がある.
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© 2020 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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