抄録
2014年成立の医療介護総合確保推進法は, 当時の透析看護師として足病変を患う方の療養をサポートする私の, 看護人生のキャリア (生き方・働き方) をも変えた.
医療介護総合確保推進法は, 介護保険法や医療法など19の法律を一括して改正する, 「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として, 効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに, 地域包括ケアシステムを構築することを通じ, 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進する. 医療法, 介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う」ことを趣旨としている. すなわち, 医師不足と赤字病院の削減, 少子高齢化社会に伴う医療費増加の懸念と対策により, 医療政策の方向性が示された. 在宅医療の推進が目標とされる社会状況のなか, 足病変の難治性潰瘍や断端創の創処置を残し退院となる医療依存度の高い方々の退院支援・調整から見えてきたことは, 治し施す医療の限界から患者を支える環境の変化に伴う, 病態予測に基づいたケアマネージメントを担う看護師の役割と重要性であった. 本稿では, 自らフットケア看護の環境を変え, 訪問看護領域で実務する様を考察し, 課題について述べる.