日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
実践報告
心臓血管外科病棟における看護師のフットケアの実態調査
森脇 裕美石澤 美保子上野 高義
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2023 年 4 巻 3 号 p. 177-183

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抄録

【目的】心臓血管外科病棟における看護師のフットケアの実施状況を調査し, 今後の課題について検討した. 【方法】大学病院2施設の心臓血管外科病棟の看護師に郵送式質問紙調査を実施した. 【結果】質問紙の回収部数は30部, 回収率は66%であった. フットケアの実施状況は, 「足の状態の観察」と「保湿」が80%以上の実施率であった. 実施率により分けた2群と看護師の経験年数5年未満と5年以上の2群間による有意な差は認めなかった. 足の観察の内容としては, 「皮膚の色調」, 「創傷の有無」, 「浮腫の有無」は90%以上を占めていたが, 「胼胝鶏眼の有無」「感染徴候」「末梢の血行動態」「足の形状」については10%以下であった. 【考察】心臓血管外科病棟の看護師のフットケアの実態について, 足の「観察」の実施率は高かったが, 主に下肢の術後に関連した「浮腫の有無」や「色調」の観察であり, 生活習慣から起こる足トラブルに着目した観察やフットケアはほとんど行われていないことが明らかになった.

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© 2023 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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