2024 年 5 巻 1 号 p. 23-30
下肢動脈疾患に伴う創傷を有する症例に対する術後のリハビリテーションは, 有害事象を伴うことなく, 対象者のQOL (quality of life) を改善させることが報告されている.QOLは, 移動の自由を失うことで著明に低下するため, 創傷治癒過程において下肢機能を維持し, 治癒後には可能な限り歩行ができるよう理学療法が処方される機会が増えてきた.しかし, 創傷治癒後に足潰瘍が再形成される頻度は高く, 再形成予防に向けた対策が不可欠であることに加え, リスクを把握するための定量的な評価が十分に行えない環境で創傷治療が進められることも多い.このため制約のある環境においても, 潰瘍治癒を妨げることなく, 潰瘍の再形成を予防しながら移動能力を引き出す役割が理学療法士に求められている.そこで, 本稿では足潰瘍治療過程および治癒後の再形成予防に向けた在宅でのリハビリテーションについて, 実際の症例を提示し検討したい.