下肢は全体重を支える重要な役割を担い, 特に足底は地面とふれることで常に外的刺激を受けている器官である. 皮膚潰瘍や腫瘍など様々な皮膚病変をきたし, ときに日常生活に大きな支障をきたすこともある. そのため早期に診断を行い, 適切な治療介入を行わなければならない. しかし,足底は普段から目にする機会の少ない場所であり, 病変の出現に患者自身も気づかず見逃され,自覚した時にはすでに病期が進行した状態となっている症例をしばしば経験する. 患者のセルフチェックだけでなく, われわれ医療従事者も診察の際には注意深く観察し, 早期発見を心掛けなければならない. 特に注意すべきは悪性黒色腫であり, それに類似した色素性病変との鑑別が重要となる. また難治性の皮膚潰瘍の中には,時として有棘細胞癌をはじめとした皮膚悪性腫瘍を認めることもある. 本稿ではフットケアの際に注意すべき皮膚腫瘍について,臨床的な特徴や病理組織学的な所見,各種検査などについて解説する.