日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
患者視点から考える上肢伝達麻酔手術における入院の要否について
中村 玲菜仲 拓磨佐原 輝河添 峻暉稲葉 裕
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 41 巻 6 号 p. 677-681

詳細
抄録

上肢手術は伝達麻酔での手術が広く行われるようになったが,伝達麻酔手術における入院の要否についての見解は一致していない.手術を日帰りで行うか術後1 泊入院するかを勧める根拠は乏しい.本研究では,アンケート調査を通じて患者視点から上肢伝達麻酔手術における入院の必要性を検討した.アンケートに協力が得られた44 例のうち,8 割以上の患者が後方視的に入院の方がよいと回答しており,若年で同居家族がいる場合を除き,多くの例で入院の方が患者満足度が高いと考えられた.また,中高齢者や手術当日に付き添いがいない患者は,入院での手術の方が患者満足度が向上すると考えられる.入院希望の多くは不安感によるものであり,適切な対応と,可能であれば付き添いなどの支援により,生活の不便を解消することで,日帰り手術でも患者満足度が向上する可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top