日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
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総説
地域で暮らす高齢者の足の健康:スコーピング・レビュー
藤井 かし子
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2025 年 6 巻 3 号 p. 158-168

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抄録

 背景: 先行研究では, 地域在住の高齢者における足の問題の有病率が高いことが示されている. 本研究の目的は, 高齢者の足の健康状態を把握し, 適切な支援策を明らかにすることである.
 方法: PubMed, Google Scholar, Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature(CINAHL), および日本看護協会図書館の最新看護学検索Webを使用し, 足の健康とその対策に関する文献を検索した. 足の問題, 介入, および測定法に焦点を当てた研究を対象とし, 解剖学, 生理学, 栄養, 下肢機能に関する研究は除外した.
 結果: 文献検討の結果, 339件の研究が抽出され, そのうち142件の分析研究を対象とした. これらの文献を足の健康問題, 足の介入, 評価のための測定法の3つのカテゴリーに分類した. この分類により, 足の健康問題の特徴と, それに対する支援策が明らかになった. 包括的な評価を通じて, 足の健康に関するニーズを特定し, 適切な介入策を実施する必要がある.
 結論: 地域在住の高齢者は多くの足の問題を抱えている. 本研究は, 利用可能なエビデンスを整理し, 世界的な足の健康問題を理解する上での基礎資料となった. このレビューの知見は, 高齢者の足の健康を改善するための効果的な支援策を開発するための重要な指針となる.

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© 2025 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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