近年, 糖尿病患者の増加に伴い足病変の発生率が上昇している. 2008年にフットケアが診療報酬の対象となり, 多くの医療機関でフットケア外来が設置された. フットケア外来では, 糖尿病看護認定看護師や皮膚・排泄ケア認定看護師が中心となってケアを実践しているが, 両者の実践内容の違いは十分に整理されていない. 本稿では, 両者の専門的知識と経験に基づく実践内容を明らかにし, 看護介入の標準化に向けた枠組みの検討を目的とした.
2008-2024年に発表された国内文献を検索し, 糖尿病患者へのフットケアに言及した10件を抽出した.
分析の結果, 糖尿病看護認定看護師はセルフケア支援や生活習慣の調整指導を中心に実践しており, 皮膚・排泄ケア認定看護師は創傷管理や除圧, スキンケアの提供といった治療的介入を多く担っていた. また, セルフケアの継続を促す関わりや多職種連携といった共通の実践も確認された.
今後は, 両者が協働し学び合う機会を設けることで, フットケア実践の統合と質の向上が期待される.