2026 年 7 巻 2 号 p. 154-160
【緒言】高齢者における包括的高度慢性下肢虚血 (CLTI) の増加が報告されているが, 血行再建術後の予後に関する検討は限られている. 本研究では, 当院において血行再建術を施行したCLTI患者を対象に, 80歳以上の高齢者と非高齢者との間で治療成績を比較した.
【対象と方法】当院において2015年1月から2023年12月までに, 創傷を伴ったCLTIに対し血行再建術を施行された135例 (高齢者50例) を対象とした. 大切断回避率と生存率を主要アウトカムとした. 患者背景因子を交絡因子として, Coxの比例ハザード回帰モデルを用いてアウトカムについて多変量解析を行った. 影響のある交絡因子を調整し, 高齢者と非高齢者の大切断回避率と生存率について比較した.
【結果】高齢者群では非高齢者群と比較して糖尿病や透析患者の割合が少なく, 女性が多かった. 交絡因子を調整後, 高齢者群は非高齢者群より生存率が有意に不良であったが, 大切断回避率には, 有意差を認めなかった.
【結語】年齢に関わらず, CLTIに対しては血行再建が推奨される. しかし, 高齢者は生存率が低く, 治療法の選択に際しては, 血行再建のリスクと生命予後の評価が重要であろう.