【目的】糖尿病性神経障害は, 潰瘍, 感染, 壊疽から最終的に切断術に至ることもあるが, そのリスクファクターについての研究は少ない. 糖尿病外来患者における振動覚異常のリスクファクターは, 糖尿病罹病期間5年以上, 心疾患既往の有無 (狭心症, 心筋梗塞), 慢性腎臓病 (Stage 3以上) がある人と仮定し検討した.
【対象と方法】2022年6月から2024年6月まで当院において糖尿病内科を受診した患者のうちフットケアが導入された130人の患者 (平均年齢67.4歳, 男性80人, 女性50人) を対象とした. 年齢, 性別, BMI, 糖尿病罹病期間, 糖尿病型, HbA1c, 治療 (内服) の有無, 治療 (注射) の有無, 心疾患の既往, 慢性腎臓病 (Stage 1 to 2とStage 3 to 5), 透析の有無, 振動覚低下などを評価し検討を行った.
【結果】振動覚異常ありは51人/130人 (36.4%) であった. 有意であった項目は年齢 (p=0.009), 罹病期間5年以上 (p=0.038), 慢性腎臓病 (Stage 1 to 2とStage 3 to 5) (p=0.047) であった. 心疾患の既往 (p=0.188) は, 有意な傾向を示すにとどまった.
【考察・結語】糖尿病外来患者における振動覚異常のリスク因子は, 年齢が高いこと, 糖尿病5年以上の罹病期間, Stage 3以上の慢性腎臓病であった.