2026 年 7 巻 2 号 p. 148-153
目的: 本研究は慢性下肢動脈閉塞症に対するバイパス術後1年間の歩行機能 (AF) 回復過程の単施設前向き観察研究で, 当院倫理委員会の承認を得た.
方法: 過去3年間の自家静脈によるdistal bypass 200例中, 一側肢バイパス術後1年間有害事象の発生のない92例[間欠性跛行 (IC) 12例, 包括的高度慢性下肢虚血 (CLTI) 80例]を対象とした. AFは毎月の平均歩数/日を調査し, ≥1,000歩到達月数, 最大歩数, 12ヵ月歩数などを比較した.
結果: 80%は術後7日以内に歩行訓練を開始した. ≥1,000歩回復はICの92%が2ヵ月以内, CLTIは85%が3ヵ月以内で, 壊疽重症度 (小潰瘍 対 広範壊疽) は回復に影響しなかった. 平均歩数はICで2ヵ月以内に急上昇, CLTIは12ヵ月まで緩徐な回復で, 両者の最大歩数 (6,629, 6ヵ月vs. 3,051, 9ヵ月, NS), 到達月最終歩数 (4,758 vs. 2,923, p=0.01) に大きな相違があった.
結論: ≥1,000歩への回復はICの92%で2ヵ月, CLTIの85%で3ヵ月, 最大歩数および12ヵ月歩数で顕著な相違を示した. 単純化した比較群においては患者背景のAF回復への影響はなかった.