日本遺伝看護学会誌
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研究報告
がんゲノム医療・遺伝看護に関する看護師の関心・認識の実態調査
佐藤 信二佐々木 規子本田 純久高尾 真未松本 正松本 恵森藤 香奈子
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2023 年 22 巻 p. 1-8

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抄録

目的:看護師のがんゲノム医療、遺伝看護についての関心や認識を調査し、対象者の属性や経験との関連を検討することで、遺伝看護に関する基礎知識獲得の課題を明らかにする。 方法:がんゲノム中核拠点病院および拠点病院に勤務する看護師2201人に無記名自記式質問紙調査を行った。 遺伝医療・遺伝看護に関する関心および遺伝情報に関する特徴の認識を得点化し従属変数とし、対象者の看護基礎教育や遺伝看護の経験状況など15項目を独立変数に設定して重回帰分析を行った。 結果:1064通(回収率48.3%)の回答を得た。平均年齢は33.7±9.58歳であった。看護基礎教育において遺伝看護の独立した科目があったと回答した112人(10.6%)の最終学歴は大学が80人(71.4%)、年代は20代67人 (59.8%)であった。施設内でのがんゲノム医療、遺伝看護に関する研修および関連学会に参加経験がある者は10%に満たなかった。がん治療に対する経験と関心では、遺伝性乳癌卵巣癌診療ガイドラインやがんゲノム医療の対象者などの内容を知っている者は2%程度であった。がんゲノム医療・遺伝看護の学習機会が必要という回答は約70%であった。重回帰分析の結果から遺伝看護・遺伝医療の関心では、遺伝看護の経験に関連した5項目が、また遺伝情報に関する特徴の認識では、大学卒業以上であることと遺伝性疾患患者への対応の経験があることの2項目が正の関連性があった。 考察:調査時点においてがんゲノム医療は始まったばかりの医療であり、対応経験の少なさや自信のなさが結果に影響したと考えられる。しかし、新たな医療に対しての学習が必要と認識している割合は高く、遺伝看護の経験が遺伝医療、遺伝看護の関心を高める要因となっていた。以上より、特に看護基礎教育において遺伝看護を学ぶ機会がなかった看護師に対し、日常の看護実践と遺伝看護を関連づけることで学習目的を明確にすることが重要と考える。

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© 2023 日本遺伝看護学会
©The Japanese Society of Genetic Nursing
https://doi.org/10.57276/jjsgn.22.0_1
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