頭頸部外科
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原著
舌扁平上皮癌(病期I・II)の検討
―口内法による手術と高線量率組織内照射―
力丸 文秀松尾 美央子檜垣 雄一郎冨田 吉信
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2010 年 20 巻 2 号 p. 123-127

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抄録
病期I,IIの舌扁平上皮癌治療には手術と組織内照射があり,当科ではこれらの両方の治療を施行してきた。今回それぞれの治療効果を検証するため,病期I,IIの舌扁平上皮癌症例につき,死因特異的生存率,再発率,救済率を検討した。3年生存率は手術群で94%,照射群で85%であり,有意差は認めなかったが,手術群のほうが良い傾向であった。原発巣,頸部再発率では手術群は19%,25%で,照射群は6%,33%であった。原発巣再発症例の救済率は手術群67%,照射群100%で,頸部再発症例の救済率は手術群75%,照射群55%であった。頸部再発後の非救済例は6例あり5例が照射群の病期IIであり,早期舌扁平上皮癌症例において病期II症例では組織内照射よりも手術のほうが望ましいと思われた。
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© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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