頭頸部外科
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原著
OSNA法による術中リンパ節転移検出の可能性
松塚 崇三浦 智広横山 秀二鈴木 政博野本 幸男國井 美羽岡野 渉西條 聡大森 孝一
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2010 年 20 巻 2 号 p. 129-133

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抄録
リンパ節転移は従来,病理検査で診断するが,OSNA法は遺伝子学的な手法を用いて約30分で診断する方法で乳癌では所属リンパ節転移の診断の補助として保険適用が認可されている。頭頸部領域での有用性を検証した。
頭頸部扁平上皮癌13症例のリンパ節31個を対象とした。術中転移が疑われたリンパ節を摘出・分割し,迅速病理検査とOSNA法によるCK19mRNAの増幅および検出を行った。
迅速病理検査では31個中7個が転移ありの結果であり,OSNA法陽性はリンパ節31個中6個であった。偽陰性のリンパ節が1個あり,マクロ標本および病理組織検査にて壊死しており,これを除くと30個全てで一致していた。
OSNA法は術中のリンパ節転移を従来の病理検査と同等に診断できる可能性がある。
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© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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