頭頸部外科
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原著
Laryngotracheal Flapにて再建を行った重度の併存疾患を有する局所進行下咽頭癌の1例
谷口 雅信渡邉 昭仁辻榮 仁志
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2010 年 20 巻 2 号 p. 141-145

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抄録

Laryngotracheal Flap(LTF)は腫瘍浸潤の及ばない喉頭気管組織を下咽頭癌切除後の咽頭食道欠損部の再建組織として用いる方法であるが,簡便で合併症も少なく,術後の嚥下機能や局所制御も満足行くものであると報告されている。
症例は79歳男性。下咽頭癌(右梨状陥凹型)T4aN2bM0,stage IVa。併存疾患として慢性閉塞性肺疾患を有し,著しい呼吸機能低下を認めた。根治治療として出来るだけ低侵襲な再建術式による手術治療が求められ,LTFを用いた再建手術を行った。術後に併存疾患の状態悪化や縫合不全や狭窄等の合併症出現を認めず,良好な経過を得た。

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© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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