2012 年 21 巻 3 号 p. 265-270
体幹臓器を原発とする悪性腫瘍の頭頸部領域転移は,その大部分は遠隔転移扱いとされ,予後不良である。今回,われわれは自験例35例の臨床的検討を行ったので報告する。原発部位は3例以上が肺10例,乳腺6例,腎4例,胸部食道3例であった。初診時未治療例は23例,治療後再発例が12例であった。頸部リンパ節転移が28例,その他頭頸部転移が13例16箇所に存在した。頭頸部転移が判明した時点で15例22臓器にその他部位にも転移を認めた。
5例で外科切除が行われていた。これら頭頸部領域転移例について外科切除を必要とする場合はまれではあるが存在し,その適応の判断については症例毎に検討していく必要があると考えられた。