頭頸部外科
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原著
下咽頭梨状陥凹瘻の手術時期に関する一考察
西村 俊郎
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2014 年 24 巻 2 号 p. 181-184

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抄録
下咽頭梨状陥凹瘻は化膿性甲状腺炎の感染経路となりうるが,頸部に膿瘍を反復する症例では何らかの治療が必要である。今回膿瘍の切開排膿と瘻管摘出が同時に可能であった症例を経験した。26歳男性症例で初回手術時は左頸部膿瘍形成後2か月で瘻管摘出を試みた。瘢痕組織を瘻管と誤認して,術後2年5か月後と5年後に膿瘍が再発した。早急な治療の希望があり,2回目の手術では切開排膿と瘻管摘出を同時に施行した。手術所見では膿瘍腔のため喉頭が周囲組織から剥離され術野の展開が容易であった。甲状腺上極も部分切除して梨状窩を外側から露出して瘻管の摘出が可能であった。手術時期について,他に経験した症例も交えて考察を加えたい。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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