抄録
側頭部から顔面におよぶmyxofibrosarcomaの1例を経験した。症例は74歳,男性。主訴は3年前より増大する左側頭部の膨隆で,肉腫の診断で当科受診となった。生検でmyxofibrosarcomaなどのmyxoidsarcomaの診断となった。また画像診断で頸部リンパ節転移,遠隔転移が疑われたが細胞診,生検等で各々が否定された後に顔面悪性腫瘍切除術を施行した。最終病理診断はmyxofibrosarcoma,pT2bN0G1,Stage Iであった。術後8か月時点での無病生存を確認している。頭頸部領域のmyxofibrosarcomaはまれであるが,本疾患を念頭に完全切除を目指す治療計画が必要があると考えられた。