頭頸部外科
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原著
上肢ポート留置術
―当科における手技と合併症について―
西條 聡松塚 崇鈴木 政博池田 雅一仲江川 雄太大森 孝一
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2014 年 24 巻 3 号 p. 335-339

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抄録
上肢留置式中心静脈ポート留置術(以後,上肢ポート留置術)は癌患者の血管確保や安全な抗癌剤の投与のひとつの方法である。当科で行っている頭頸部癌患者への局所麻酔下上肢ポート留置術の手術手技を紹介し,初期成績を報告した。2010年から2012年の間に30例の上肢ポート留置を行い,全例で留置に成功した。上肢ポート留置30例中4例に感染,4例にポート露出を認めたがポートの抜去で解決し,重篤な合併症は認められなかった。上肢ポート留置の際の皮下トンネル形成群が非形成群と比較して術後ポート露出の頻度が有意に少なかった。上肢ポート留置術は頭頸部外科医も施行できる比較的容易で合併症が少ない安全な手術手技である。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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