抄録
唾液腺腫瘍の術前評価として,穿刺吸引細胞診(FNA)がある。唾液腺腫瘍におけるFNAの有効性を検討した。
1991年1月~2010年12月の20年間に倉敷中央病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科にて,FNAを施行し,組織学的に確定診断を得た唾液腺腫瘍464例(良性腫瘍403例,悪性腫瘍61例)を対象とした。良悪性鑑別の感度,特異度,正診率はそれぞれ60.4%,99.7%,95.0%であった。組織型まで一致した症例は,良性腫瘍では74.7%(301/403)であったのに対して,悪性腫瘍では26.2%(16/61)であった。