2015 年 25 巻 1 号 p. 49-53
症例は69歳男性。いびきを主訴に受診した際に中咽頭左側壁の腫脹を認め,MRIで左副咽頭間隙に6cm大の腫瘤を認めた。全身麻酔下に経頸部的に腫瘍にアプローチを行い,腫瘍を摘出した。病理組織検査では紡錘形の腫瘍細胞が増殖しており,異型を呈する核を認め,免疫染色でCD21が陽性であり,濾胞樹状細胞肉腫と診断した。PET/CT検査ではその他の部位に明らかな異常集積を認めず,副咽頭間隙リンパ節原発の濾胞樹状細胞肉腫と考えられた。術後照射60Gyを行い,術後1年8か月現在,明らかな局所再発・遠隔転移を認めていない。