抄録
内視鏡的咽喉頭手術(ELPS)は早期癌に対して非常に有効な治療法であり,手術時間も短く不要な放射線化学療法を避ける事が可能となった。一方で,ELPSが普及する前は早期癌であっても放射線化学療法に頼らざるを得なかった。内視鏡の画像精度が上がっている為,以前に放射線化学療法で加療した患者の中下咽頭癌を早期の段階で見つける事が可能となっている。しかし,こうした患者に対してELPSを施行する時,手術操作が困難であったり,腫瘍が予想外に進展していたり,切除範囲が明確に解らない場合がある。われわれが経験した症例を検討し,根治照射後のELPSの問題点を明らかにしていく。