理科教育学研究
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原著論文
思考の「不確かさ」を批判的に指摘し合うことで,考えを見直し改善できるようにする理科指導法の開発
濁川 智子小倉 康
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2022 年 62 巻 3 号 p. 631-641

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抄録

本研究では,小学校理科において,児童が自分の考えを見直し改善できるようになることを目指す上で,自他の考えを批判的に捉えることで科学的探究過程における「不確かさ」に敏感になることができる指導法を開発し,その有効性を実践的に検証することを目的とした。本指導法では,「不確かさ」に関する特別授業を行った後,児童の思考場面において,他者の思考に対して「不確かさ」を批判的に指摘し合う話し合い活動を行った。本指導法の効果を検証するために,第4学年「もののあたたまり方」の単元で授業実践を行い,「不確かさ」に関する児童の意識及び思考の変容について分析を行った。その結果,本研究で開発した「不確かさ」を批判的に指摘し合う指導法は,他者の考えを批判的・懐疑的に捉えて考えようとする意識を向上させ,「不確かさ」に敏感になることができる指導法であることが明らかとなった。また,本指導法は児童の思考過程に対する批判的思考としてのメタ認知能力の育成に寄与するとともに,問題を科学的に解決するための思考力を育むことができることが示唆された。

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© 2022 日本理科教育学会
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